2013/07/18

三宅洋平という男

それは、今から約6年前。

旦那が、友達に借りたCDを車の中でかけていた時だった。
その音楽から放たれるバイブスが、私にとてもマッチしていて、すぐに好きになった。

それからすぐに、私が当時住んでいた地元の柏で、そのバンドがライブをするという情報を得て、私は旦那と二人で観に行った。

衝撃だった。

旦那は、そのライブをきっかけに、頭を丸刈りにした。
それから旦那は、「自分のやりたいことをするには、なりたい自分になるにはどうするか」を模索し始めたように見えた。
その後、旦那は新たにバンド加入し、この6年の間にアルバムを次々とリリース、フジロックフェスの出演も2回果たしている。

今の自分があるのは、あの6年前のライブが、間違いなくきっかけだったと旦那は今でも言う。

その6年前に出会って、夫婦揃って魅了され、影響を受けたバンドの名は、「犬式」。
現在は、無期限活動休止中ではあるが、それぞれのメンバーは今も活躍している。


そして、3日後の参議院選挙。
元犬式のボーカル・フロントマン 三宅洋平が、出馬する。


先日、代々木公園で行われた彼の選挙フェスに行ってきた。
ちょっと涙が出た。

うまく言葉で表わせないのだけど、なんだか共感してもらえたような感覚だった。
「自分以上に、自分のことを、自分が大事にしたいものをわかってくれる人がいるんだ」
なんか、そういう感覚だった。

不思議だ。
私が、「共感する」「賛同する」というよりも、むしろ背中を押されている感じがしてならないんだ、この人のエネルギーは。
そして、ものすごく親近感を持てるようになったというか、実際に足を運んで聴いてみたら、ますます近い存在に感じた。



私は今まで、必ず選挙に行く人ではなかった。
投票日を気に留めていても、ついつい失念してしまうことが多く、正直なところ、投票しに行く時は、ごく稀だった。

最近の、選挙に行かない人を「無関心」だと否定するこの空気感の中、私がこうして「これまで、ほとんど選挙に行っていない」ことを書くのは、少しドキドキする。

でも、社会問題や政治などについて、全く考えていないかといったら、違う。
常に意識にある。だから、今やっていること全てが、私の中の答えなんだ。

これまでの政治に、足が向かなかった自分。
そんな自分を「無関心」だと責めて、やみくもに投票しに行く前に、まず、なぜそうなってしまうのか考える。

理由は、明白だった。「つまらなかった」から。
国会の会議も、たまにテレビで見てみるけれど、まず何を言っているのかわからない。眠くなる。長い。
そして、政治家と呼ばれる人たちの中に、興味が持てる人がいなかったのも事実だった。

だから、私は思う。
私たちが、無関心になってしまう要因が、あちら側にもあるはずだと。


ここでも、自分が持つ感性を、大事にしたい。
それも、一番最初に感じたものを。
思考が混じる前の、純粋なインスピレーションを。

その感性は、理にかなっているはずだから。

仮に、興味が持てないという自分の率直な感性を、「無関心」で悪だとジャッジするならば、「誰しもが興味を持つ政治へ」と変えようとはならないはず。
だから、これまで変わらなかったんじゃないかと思う。


でも、そうやって言うことだけは簡単。
じゃあ、どうしたら、自分が能動的に関わることができるのか。
どうしたら、自分のライフワークを重んじて、生かして、なおかつ社会に貢献することができるのか。

それを思った時に、やっぱり答えは今やっていることに毎度行き着くんだ。

自分自身と、まずは深く関わること。
「愛ある在り方って、どんなんだろう」を、あらゆるシチュエーションで常に模索すること。
目の前にいる人に、真剣に向き合うこと。

ヨガをすると、身体の感性が研ぎ澄まされるの。
それによって、今まで全く気にもしなかったことが気になりだして、意識がどんどん拡がってゆく。
身体の感性が研ぎ澄まされると、当然、その身体を作っている食べ物にも意識が及ぶの。
それによって、その食べ物を作っている人の顔が浮かぶ。

食事を作る時に思うの。
この食事で、私の家族は生きてるんだなって。
そして、ヨガを教えている時、生徒さんの身体を見て思うの。
この人を大事に想っている人が、この奥にいるんだよなって。

そんなふうにして、自分の意識を常に持ち続けることこそが、人への関心、食への関心、社会への関心に繋がり、拡がってゆく。

社会を変えていくって、1人1人の意識が変わっていくしかないよなって。
なら、社会と関わるって、結局は私が今やっているヨガなどを通じて、目の前にいる人とのディープなコミュニケーションにより、お互いに変化・成長を促していくことだよなって。

で、結局ここに戻ってくる。


でも、三宅洋平は、もっとダイレクトだった。
政治に直接、一歩踏み出した。

アーティストは、基本的に意識の高い人たちばかりだと思う。
ライブのMCで、社会問題を語るアーティストも、多くいる。

でも、三宅洋平は、これまでとは違い、「Ready Go First」で自らが先に切り拓いた。
出馬を知った時は、驚いたと同時に、「始まったんだな、とうとう」という気持ちになった。


三宅洋平が、選挙フェスで言っていた。
「政治家という職業は、いらない。八百屋は八百屋のまま政治に関わらないと、そこからの意見が発信できないんだ」
「俺は、アーティストとして政治に関わるんだ。政治家になるんじゃない」



今年の選挙は、投票したい人がいる。この人に、絶対当選してほしいと思える、
こんな選挙は、生まれて初めてだ。
これからは、そんな時代になるのかな。それがスタンダードになるのかな。


胸を張って、21日、選挙へ行こうと思う。



三宅洋平公式HP